75歳からの繰り下げ年金制度について

朝からテレビでは年金75歳繰り下げ支給の話題。

「75歳から受給を始めたら何歳まで生きればモトが取れておトクか?」

などという話に非常に違和感を感じます。

そもそも「モトを取る」という言葉に「年金」というものの本質を見失っている気がするのです。

過去、年金というのは老後のための「積み立て」として制度が開始されましたが、この考えは既に「完全崩壊」しているのです。

今、年金というのは受給者の若い頃の「積み立て」の考え方を改め、現役世代からの「仕送り」として受け取るものであるとの認識を下に、若年層には支払いを命じているはずなのです。

その「仕送り」であるはずの年金で「モト」を取るという考え方で報道していること自体、テレビはどうかしていると思います。

75歳からの繰り下げ受給をして年金が倍になったら、旅行したいとか、食べ歩きをしてみたいとか、「そういう夢があるんだよ」と、テレビに出ているおじいちゃん嬉しそうに話をされていますが、どこか年金というものの本質を忘れて話をしていると思うのです。

いえ、「忘れている」のではなく、「わかっていない」のではないかと…。

社会に出て間もない20代の若者が、当然、何の財産も無く年功序列賃金に起因する低所得の状況で、年金を払わなければ社会から「非常識」と叩かれている世の中、彼らの負担を軽くすることの方を考えるべきではないかと思うのです。

そうしなければ少子化問題なんて解決しないし、我が国はきっと衰える一方であるに違いありません。

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